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米スタートアップ、宇宙太陽光発電に新アイデア–小型衛星から赤外線で送信
宇宙スタートアップの米Aetherfluxは米国時間10月9日、「宇宙太陽光発電(Space-Based Solar Power:SBSP)」の赤外線による送信技術の開発を発表した。
Aetherfluxによれば、太陽エネルギーを集めて赤外線レーザーで地球に送る低軌道衛星コンステレーションを開発し、2026年初頭までに小型衛星を打ち上げて実証するという。
宇宙太陽光発電での地上への送信技術としては、静止軌道の衛星からマイクロ波と地上の大型アンテナによるシステムが長年研究されてきた。Aetherfluxのコンセプトでは、繰り返し使用できる小型衛星を採用することで低コストかつ高い拡張性を実現するという。
Aetherfluxの最初のミッションでは、米スタートアップ企業Apexが提供する衛星バスを使用。スポットサイズが10mの赤外線レーザーで地上に送信してキロワット級の電力を生成できるという。将来的には、キロワットあたりの送信コストを抑えながら、より多くの電力を生成できるようになるとしている。
宇宙太陽光発電については、米航空宇宙局(NASA)が地上の再生可能エネルギーの12~80倍のコストがかかると試算している。
Aetherfluxの創業者はBaiju Bhatt氏。Bhatt氏は、スマートフォンで簡単に売買できる投資アプリを提供する米Robinhoodを2015年に共同で創業したことで有名。Bhatt氏は、2024年3月にRobinhoodの最高クリエイティブ責任者を退職した(取締役会には在籍している)。