北海道スペースポート、海外の宇宙港と国際協力関係を構築--相互運用性を確保

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北海道スペースポート、海外の宇宙港と国際協力関係を構築–相互運用性を確保

2024.10.08 13:17

UchuBizスタッフ

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 宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」を運営する北海道大樹町SPACE COTAN(北海道大樹町)は商業宇宙港の国際協力の覚書(Memorandum of Understanding:MoU)を締結する。10月8日に発表した。

 覚書を結んだのは、HOSPOのほかにアメリカのVirginia Spaceport Authority(VSA、バージニア州)とPacific Spaceport Complex–Alaska(PSCA、アラスカ州)、オーストラリアのSpace Centre Australia(SCA、クイーンズランド州)、イギリスのSaxaVord Spaceport(スコットランド)とSutherland Spaceport(スコットランド)、スウェーデンのSweden Space Centre(SSC、エスレンジ)、ペルーのStargate Peru S.A.C.(ピウラ県)の5大陸8つの商業宇宙港。商業宇宙港による国際協力は世界初の試みになる。

 民間企業による宇宙産業の拡大が見込まれているが、ロケットや衛星の打ち上げ需要の拡大に応えるために、ワーキンググループを設立して国際標準化で相互運用性を確保するとともに運用コスト削減に向けた合理化などを検討する。ロケット打ち上げの高頻度化、ロケット事業者と衛星事業者の利便性の向上を図る。

 イタリア・ミラノで開かれる国際宇宙会議「International Astronautical Congress(IAC) 2024」で現地時間10月13日に署名式を開く。署名式にはSPACE COTAN 代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)の小田切義憲氏が出席する。

 北海道帯広市で10月10日に開催する「北海道宇宙サミット2024」にVSAのCEOでエグゼクティブディレクターを務めるRoosevelt“Ted”Mercer, Jr.氏が登壇、小田切氏とともに覚書の内容や締結の背景などを講演する。

 衛星の打ち上げ需要が高まっているが、打ち上げ機会を確保するため、世界にある複数の宇宙港での利用を検討するロケットの打ち上げ事業者が増えている。今後はロケットを活用して大陸間を移動する高速二地点間輸送(Point to Point:P2P)も見込まれている。

 こうしたことから、打ち上げのプラットフォームである宇宙港同士の連携が進んでいるという。こうした動きを背景に、各宇宙港では、相互運用性を確保するとともに施設や設備の共通化と標準化などで高頻度打ち上げの実現が求められるようになっていることから、今回の覚書提携に至ったと説明している。今回の取り組みについては開かれたものであり、新規参入を拒まないとしている。

HOSPO将来イメージ(出典:SPACE COTAN)
HOSPO将来イメージ(出典:SPACE COTAN)

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SPACE COTANプレスリリース(PR TIMES)

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