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Space Quartersや大林組、JAXAと「金属・レゴリス材料の革新的材料接合技術」の共同研究へ

2024.09.02 15:42

UchuBizスタッフ

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 Space Quarters(東京都渋谷区)は9月2日、大林組やオリガミ・イーティーエスと共同提案した「月面・軌道上における壁面自走型の電子ビーム溶接ロボットによる金属・レゴリス材料の革新的接合技術」が、JAXAの宇宙探査イノベーションハブ 第11回 研究提案に採択されたことを発表した。

 JAXA宇宙探査イノベーションハブでは、月や火星のような重力天体での探査活動に役立つ技術を、企業や大学と共同研究・開発し、宇宙や地上で社会実装することを目指している。

 月面などの重力天体や周回軌道上等の宇宙空間において、現地で材料を接合する技術は、今後の宇宙探査を加速させる上で重要な要素の1つと言える。現地での材料接合が可能となれば、宇宙空間での構造体の製造や修理等において、完成体モジュールとしてではなく、接合前の半完成体や構造材料として容積効率の良い状態で輸送できる。また月面などでは、現地材料を用いた建材の接合を実現することで資材の輸送量を減らすことができる。

 この実現には、自動遠隔操作型ロボット等による革新的材料接合技術の獲得が必要となるが、地上の生産設備での無人材料接合はロボットアーム等の基準点、設置点を持つ据付設置型であることが多く、宇宙空間では基準点を設定することが難しいとSpace Quartersでは指摘。自走型ロボットでの材料接合が可能になれば、現地での材料接合の可能性が高まるという点で、同社の開発技術が評価されたと説明する。

 今回の事業においてSpace Quartersは、JAXA、大林組、オリガミ・イーティーエスと共同で、自動接合(ロボット)技術および金属/非金属接合技術を開発し、一定以上の接合強度を獲得することを目指すという。

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