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清水建設とKDDI、「スターリンク」を活用しトンネル建設現場から3D点群のリアルタイム伝送に成功

2024.09.02 11:09

小口貴宏(編集部)

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 清水建設とKDDIは9月2日、低軌道衛星ブロードバンド「Starlink」を活用し、トンネル建設現場からの3D点群データのリアルタイム伝送に成功したと発表した。

 清水建設とKDDIは、建設中の北海道新幹線渡島トンネル上二股工区において、Starlinkによるauの通信エリア構築ソリューション「Satellite Mobile Link」を活用し、トンネル建設現場からの3D点群データのリアルタイム伝送実証に成功した。

 この実証で検証した技術を活用することで、施工進捗や壁面のズレ、亀裂などの異常を遠隔からリアルタイムで確認できるため、建設現場の定期巡回や施工管理にかかる時間を大幅に短縮できるという。

従来の課題を解決

 3D点群データは、映像に比べて奥行き情報を含む立体的な情報を得られるため、建設現場などでの測量用途としての活用が進んでいる。しかし、現場で取得した3D点群データは非常に容量が大きく、遠隔地とデータを共有する際には、記録媒体を事務所に持ち運ぶか、時間をかけてクラウドにアップロードする必要があるなど、即時の共有が難しいという課題があった。

 こうした課題を解決するために、渡島トンネル坑内外にStarlinkで構築したau通信エリアを活用し、四足歩行ロボットやドローンに搭載されたLiDAR 3Dスキャナーで撮影した3D点群データを、清水建設のイノベーション拠点「温故創新の森NOVARE」(東京都江東区)へ伝送する実証実験を実施した。この実験では、KDDI総合研究所が開発したリアルタイムエンコーダーを使用し、小型コンピューター上でも動作するデータの圧縮技術によって、伝送に必要な帯域を約20分の1に縮小することに成功した。これにより、従来は数時間かかっていたデータ確認を10秒以内に大幅短縮したという。

 将来的には、四足歩行ロボットやドローンを遠隔操作や半自動化、および自律化することで、遠隔地からの施工管理や監視、検査の実現も想定している。

プレスリリース

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