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日本の新興宇宙企業「AstroX」、超小型ロケットの発射試験に成功–高度300mに到達

2024.08.26 10:08

小口貴宏(編集部)

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 日本のロケット開発スタートアップ「AstroX」は8月25日、超小型ロケット「kogitsune」の発射実験に成功したと発表した。

 AstroXは福島県南相馬市に拠点を置く宇宙スタートアップだ。気球で成層圏までロケットを運び、空中発射する方式での衛星軌道投入を目指している。

 地上から発射する方式と比べると、地表付近の濃い大気をスキップできるため、燃料を一定程度節約できるメリットがあるほか、地上設備は気球の放球設備だけで済むので、ロケット発射場のような大規模な地上インフラが不要となる。また、空中で発射するため、洋上で発射すれば地上の環境への影響も最小化できる。

 今回の実験では、AstroXが設計製造した超小型ハイブリッドロケットの発射試験を福島県南相馬市で実施した。実機には、千葉工業大学の学生等が設計製作したものをベースに改良したロケット「kogitsune」を用いた。

 地上からの到達高度は300mに達し、ロケット打ち上げ実験を通して小型ロケットの開発に必要な技術の成熟と、洋上からロケットを回収するノウハウの確立も同時に確認したという。

 AstroXは2022年に創業したばかりで、2023年には大林組、千葉工業大学と共同研究契約を締結している。今後は技術を洗練させ、早期のサブオービタルロケットの打ち上げ、そして小型衛星の軌道投入サービスの確立をめざす。

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