ボーイング宇宙船「スターライナー」、帰還時期を8月最終週までに決定

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ボーイング宇宙船「スターライナー」、帰還時期を8月最終週までに決定

2024.08.16 17:19

塚本直樹

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 米Boeingの宇宙船「CST-100 Starliner」の帰還時期を8月最終週までに決定すると、米航空宇宙局(NASA)の幹部は述べている。

 初の有人飛行試験(Crew Flight Test:CFT)として打ち上げられたStarlinerは、2人の宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)に輸送。しかしヘリウム漏れやスラスターの問題から、地球への帰還時期が未定となっている

 NASAはSpace Exploration Technologies(SpaceX)の宇宙船「Crew Dragon」によるISS宇宙飛行士輸送ミッション「Crew-9」に2人の宇宙飛行士を搭乗させて打ち上げ、Starlinerで運ばれた宇宙飛行士とあわせて2025年2月に地球に帰還させることを検討している

 現在はBoeingのエンジニアと協力して、Starlinerの地上試験から得たデータを評価している。Crew-9のCrew DragonがISSとドッキングするためには、StarlinerはISSとのドッキングを解除する必要がある。

 もし、Starlinerで運ばれた2人の宇宙飛行士がCrew-9の宇宙船(Crew Dragon)で帰還する場合、Starlinerは宇宙飛行士を搭乗させない状態でISSから切り離され、大気圏に再突入し、パラシュートを展開させて着陸、回収されることになる。

 海外メディアのSpace.comによると、米国時間8月14日に開かれた会見でNASAで主任宇宙飛行士を務めるJoe Acaba氏は「クルーを必要以上に危険にさらさないよう、時間をかけて確認している」と述べている。

 CFTとしてISSに運ばれた宇宙飛行士の滞在は当初1週間程度の予定だった。2025年2月に帰還するとなれば、滞在期間は約8カ月となる。

 NASAは、ISSへの宇宙飛行士の輸送を委託する「商業乗員輸送プログラム(Commercial Crew Program:CCP)」としてSpaceXとBoeingを選定。SpaceXのCrew Dragonはすでに2020年11月から実運用されており、Crew-9は9回目のミッション(CFTを含めると10回目)。BoeingのStarlinerは実運用前の段階。Starlinerの実運用ミッションである「Starliner-1」は2025年2月から2025年8月に延期されている。

インドのムンバイ沖上空を飛行する、ISSとドッキングした状態のStarliner(出典:NASA)
インドのムンバイ沖上空を飛行する、ISSとドッキングした状態のStarliner(出典:NASA)

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Space.com

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