ispace、建機大手コマツにコンサル--月面建機の設計、部品や素材の選定を支援

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ispace、建機大手コマツにコンサル–月面建機の設計、部品や素材の選定を支援

2024.08.13 11:30

UchuBizスタッフ

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 ispace(東京都中央区)は8月9日、建設・鉱山機械メーカーの小松製作所(コマツ)と宇宙機の開発でコンサルティング契約を締結したことを発表した。

 コマツは2021年度から国土交通省と文部科学省が連携して進める「宇宙無人建設革新技術開発推進事業」に採択され、月面建機を開発することを構想している。ispaceは宇宙試験機の設計や月面環境で使用できる部品や素材の選定、知見を生かしたコンサルティングをコマツに提供する。

 宇宙無人建設革新技術開発推進事業は、各省の縦割りを排除して、連携して取り組むべき研究開発プロジェクトを推進する「宇宙開発利用加速化プログラム(スターダストプログラム)」の一環。期間が2021~2025年。2021~2023年度の予算は10億8000万円。

 同事業でコマツは「デジタルツイン技術を活用した月面環境に適応する建設機械実現のための研究開発」を進めている。

 コマツは、月面では現場の環境や実機を精度良くサイバー空間に再現する「デジタルツイン」技術が重要と説明。2021年度にシミュレーターを実現可能性調査(フィージビリティスタディ)として検証した。

 シミュレーターに月面建設機械や無人自律施工技術の開発で必要となる機能を追加するとともに精度の向上を図った。シミュレーターを活用して月面建設機械を具体的に検討する。研究開発で得られた知見を地球の建機や施工の高度化に活用することも狙っている。

 2023年度では、2021年度に作成したサイバー空間上で動作する油圧シャベルの精度向上を図っている。月面での無人で建設するための建設機械を検討するための機能を追加、建機の形状やサイズの変更も進めている。シミュレーターを活用して、月面建設機械について抽出した課題の解決方法を検討し、対策案の妥当性や実現性も検討している。

月面環境で稼働する建設機械のイメージ(出典:コマツ)
月面環境で稼働する建設機械のイメージ(出典:コマツ)

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ispaceプレスリリース

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