ISSに宇宙飛行士を輸送する「クルー9」、1カ月延期--「スターライナー問題」収束せず

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ISSに宇宙飛行士を輸送する「クルー9」、1カ月延期–「スターライナー問題」収束せず

2024.08.07 16:30

塚本直樹田中好伸(編集部)

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 米航空宇宙局(NASA)は米国間8月7日、Space Exploration Technologies(SpaceX)による宇宙飛行士打ち上げミッション「Crew-9」を9月24日以降に延期すると発表した。

 現在、国際宇宙ステーション(ISS)には米Boeingの宇宙船「CST-100 Starliner」が接続されている。Starlinerは有人飛行試験(Crew Flight Test:CFT)として2人の宇宙飛行士の輸送に成功したが、ヘリウム漏れやスラスターの問題から、地球への帰還時期が未定となっている

 Crew-9は4人の宇宙飛行士をSpaceXの「Crew Dragon」に乗せて打ち上げるミッションで、もともと8月18日の打ち上げが予定されていた。NASAによれば、Crew-9を延期したことで「Starlinerの帰還計画を最終決定するための、より多くの時間を確保できる」と述べている。

 Starlinerの地上チームは、最近実施した試験の結果を分析して、Starlinerの推進系システムが安全に飛行できるかどうか、信頼性を確認する作業に時間を費やしている。NASAとBoeingは、Starlinerの状況を評価する作業を進めており、帰還に関する決定は下していない。

 NASAは今後、Starlinerと3月に打ち上げられたCrew-8」、Crew-9の活動について、関係者と話し合う予定だ。すでにISSに約6カ月間滞在しているCrew-8のメンバーは、地球への帰還の準備を進めている。

 Crew-9として打ち上げられたCrew DragonがISSとドッキングするには、StarlinerがISSとのドッキングを解除する必要がある。

 現在、ISSには第71次長期滞在クルーとして7人が滞在中(これにStarlinerの2人が加わっている)。もともとの予定では、第72次長期滞在クルーとして4人の宇宙飛行士が8月18日以降にCrew-9でISSに輸送される予定となっていた。

 ISSでは予定外の滞在となっており、食料などの物資が足りるのか不安視されるが、NASAはISSには十分な物資が備蓄されており、問題はないと説明する。

 NASAは、ISSへの宇宙飛行士の輸送を委託する「商業乗員輸送プログラム(Commercial Crew Program:CCP)」としてSpaceXとBoeingを選定。SpaceXのCrew Dragonはすでに2020年11月から実運用されており、Crew-9は9回目のミッション(CFTを含めると10回目)。BoeingのStarlinerは実運用前の段階。Starlinerの実運用ミッションである「Starliner-1」は2025年2月から2025年8月に延期されている

Crew-9ミッションパッチ(出典:NASA)
Crew-9ミッションパッチ(出典:NASA)

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NASA発表

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