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宇宙から日本全土を「楽天モバイル」エリア化、2026年開始に自信–三木谷氏
2024.08.02 17:40
楽天グループで代表取締役会長兼社長を務める三木谷浩史氏は8月2日、自社イベント「Rakuten Optimism 2024」に登壇。地球低軌道(LEO)の衛星から地上を携帯エリア化する構想について、2026年のサービス開始に向けて順調だとアピールした。
楽天モバイルの「スペースモバイル」構想は、楽天グループが出資する米AST SpaceMobile(AST)の衛星を活用する。
ASTの衛星はいわば「宇宙の巨大アンテナ」だ。すでに軌道投入に成功している試験衛星BlueWalker 3でも16mx16mの巨大アンテナを搭載している。9月以降、さらに大型の商用衛星「BlueBird」を打ち上げ、2026年の商用サービス開始をめざす。同イベントにはASTで会長 兼 最高経営責任者(CEO)を務めるAbel Avellan氏も登壇し「日本全土のカバーには45機程度の衛星が必要」述べた。
三木谷氏によると、ASTのサービスは世界に先駆けて日本で始まるという。なお、当初は24時間のフルサービスではなく、使用できない時間もあるという。これは、衛星の機数が十分ではないためで、衛星が揃った段階で24時間のサービスを開始する。
被災地に通信リソースを集中させることも可能
イベントでは三木谷氏とAbell氏が対談。「令和6年能登半島地震」のような大規模災害時に、アンテナやビームの向きをソフトウェアで制御して、被災地に通信リソースを集中投下可能であることも明かされた。三木谷氏は「既存のStarlinkは電源がなければ使えないが、AST SpaceMobileなら使える」と述べ、災害の多い日本でも有効なサービスであると述べた。
また、同じ低軌道ブロードバンドである「Starlink」との違いについてAvellan氏は「スマートフォンと直接つながる衛星ブロードバンド接続サービスはASTが唯一」と述べた。Starlinkもスマートフォンとの直接通信サービスを「Direct to Cell」として2024年内に開始するが、当初はSMSなどのメッセージサービスのみだ。一方のAST SpaceMobileは当初からYouTubeが視聴できる速度の実現を目指している。