ESA大型ロケット「アリアン6」、初飛行迫る--7月10日明け方に打ち上げ

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ESA新大型ロケット「アリアン6」、初飛行迫る–7月10日明け方に打ち上げ

2024.07.09 17:30

塚本直樹田中好伸(編集部)

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 欧州宇宙機関(ESA)の新型大型ロケット「Ariane 6」の初飛行が迫ってきた。仏領ギアナのギアナ宇宙センターから現地時間7月9日午後3~7時(日本時間7月10日午前3~7時)に打ち上げられる(打ち上げ30分前からライブ中継される)予定。

 Ariane 6は欧州が運用する大型ロケット「Ariane 5」の後継機で、2段式の使い捨てロケットだ。もともとは2020年のデビューが予定されていたが、打ち上げスケジュールは何度か延期。2026年までに年間9〜12回の飛行が見込まれている。

初飛行(Flight 1)の予定。第2段にはエンジン「Vinci」が3基搭載され、第1段を切り離した後でそれぞれ再点火される(出典:ESA)

初飛行(Flight 1)の予定。第2段にはエンジン「Vinci」が3基搭載され、第1段を切り離した後でそれぞれ再点火される(出典:ESA)

 初飛行となる今回のミッションでは、Ariane 6は8機のキューブサットを地球低軌道(LEO)に打ち上げる予定だ。またロケットは、大気圏へ帰還する2機の再突入カプセルなど、さまざまな軌道実験も実施する。

 「Ariane 6には数多くの新機能が搭載されていて、より多くの物資を運び、より遠くまで運ぶことができると同時に、ロケット上段を持続可能な方法で処分し、宇宙ゴミになるのを防ぐことができる」とESAは述べている。

Flight 1に搭載されるペイロード。キューブサットなどのほかに「Nyx-Bikini」と「SpaceCase」の2機の再突入カプセルも搭載する(出典:ESA)
Flight 1に搭載されるペイロード。キューブサットなどのほかに「Nyx-Bikini」と「SpaceCase」の2機の再突入カプセルも搭載する(出典:ESA)

 Ariane 6は全長63m、直径5.4m。「Ariane 62」と「Ariane 64」という2つのバージョンがある。Ariane 62は固体ロケットブースターが2機、Ariane 64は固体ロケットブースターが4機となっている(今回打ち上げられるのはAriane 62)。1段目のコアステージには、新型エンジン「Vulcain 2.1」を搭載している。

 Ariane 62は静止遷移軌道(GTO)に約4.5t、LEOに約10.3t、Ariane 64はGTOに約11.5t、LEOに約21.6tのペイロードを打ち上げられる性能となっている。

打ち上げを待つAriane 6(出典:ESA)
打ち上げを待つAriane 6(出典:ESA)

関連情報
ESA発表
Ariane 6概要
打ち上げライブ中継(英語版)

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