ニュース
火星生活「CHAPEA」、378日で終了–将来の有人計画に経験生かす
米航空宇宙局(NASA)の火星基地をシミュレートした長期滞在実験「CHAPEA(Crew Health and Performance Exploration Analog)」が米国時間7月7日に終了した。
4人の研究者が、3Dプリンターで制作された、広さ158m2の住居区「Mars Dune Alpha」に滞在した。内部にはクルー専用の部屋やキッチン、リビング、ワークエリア、2個のバスルームが備え付けられている。外部には、赤い砂を敷き詰めた火星の再現環境も用意されている。
実験は米テキサス州ヒューストンにあるジョンソン宇宙センター(JSC)で2023年6月から開始。滞在日数は378日間となった。
「クルーは『火星散歩』を含む火星でのミッションを1年以上にわたりシミュレーションし、数種類の野菜を栽培、収穫し、装備と居住環境を維持し、地球との通信遅延、資源の制限、孤立など、火星で経験しうるストレスのもとで活動した」と、NASAの職員は述べている。
4人のMars Dune Alphaでの経験は、NASAが2030年代後半から2040年代前半に打ち上げが開始される、火星での有人ミッション計画に生かされることになる。