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「円安」がロケット開発の追い風に–インターステラ稲川氏

2024.07.06 20:30

小口貴宏(編集部)

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 インターステラテクノロジズで代表取締役 最高経営責任者(CEO)を務める稲川貴大氏は7月4日、直近で1ドル160円を超える歴史的な円安水準について「(事業面で)ポジティブな側面が現れやすい」と述べた。

左から取締役 最高執行責任者(COO)の熱田圭史氏、代表取締役 最高経営責任者(CEO)の稲川貴大氏、取締役 VP of Launch Vehicleの中山聡氏、取締役 最高財務責任者(CFO)の辻高広氏

 稲川氏は「ロケットは海外に向けて営業するという観点では輸出になる」とコメント。また、自社でロケットの機体のみならず、エンジンを含めて内製化している点を挙げ「モノをどんどん輸入しているわけではなく、円安のデメリットはあまりない」と述べた。

自社開発しているエンジン「COSMOS」の試験用実物

 インターステラテクノロジズは、北海道大樹町に本社を置くロケット開発ベンチャー。2024年度以降に小型ロケット「ZERO」を打ち上げを予定している。

 ZEROは液体燃料を採用したロケットで、狙った軌道にピンポイントに小型衛星を投入するサービスの実現を目指している。また、将来的な構想として大型ロケット「DECA」の開発も表明しており、開発に向けた概念検討を開始している。

和製スターリンク構想も

 同社は、いわば「和製Starlink」とも言える低軌道衛星ブロードバンドも構想している。無数の超小型衛星を電磁石で結合した「フォーメーションフライト」技術によって、軌道に超巨大アンテナを構築する構想で、地上のスマートフォンに直接ブロードバンドを提供するという。

ピンポン玉サイズの超小型衛星を電磁石で結合した「フォーメーションフライト」技術を開発中
シミュレーションの様子

 米Space Exploration Technologies(SpaceX)は自社ロケットで自社衛星を打ち上げることでStarlinkの急拡大を実現したが、インターステラテクノロジズも打ち上げと衛星開発の両方を手掛ける「垂直統合型」ビジネスモデルの確立を目指す。

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