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米新型気象衛星「GOES-U」、打ち上げへ–新装置に科学者が期待してしまう理由
6月25日に打ち上げられる気象衛星「GOES-U」には、米海軍調査研究所(United States Naval Research Laboratory:NRL)の太陽活動計(コロナグラフ)「Compact Coronagraph-1(CCOR-1)」が搭載される。
コロナグラフとは太陽の光を遮断して、太陽の最外層にある「コロナ」を観測するための機器だ。コロナグラフを使用することで、太陽の黒点から発生する「太陽フレア」と、それにともなう「コロナ質量放出(CME)」の研究が可能となる。
米航空宇宙局(NASA)はこれまで、太陽観測衛星「Solar and Heliospheric Observatory(SOHO)」に搭載されたコロナグラフ装置「LASCO」を運用してきた。しかし、1996年4月に運用が開始されたSOHOは古く、またバックアップが存在しないことから、GOES-Uに搭載されるCCOR-1が打ち上げられることとなった。
CCOR-1はCMEの大きさや移動速度、密度などの詳細なデータを、より迅速に送信できるという。米海洋大気庁(NOAA)によれば、科学者が画像を入手するのにLASCOは8時間かかるところ、CCOR-1なら30分で済むとしている。
GOES(Geostationary Operational Environmental Satellite)は静止軌道を周回する気象衛星。NASAが開発して打ち上げ、NOAAが運用する。1975年から観測を続けている。第1世代はA~H、第2世代はI~Q、現在の第3世代はRから始まり、最新が今回のUになる(Rから始まっていることで第3世代は「GOES-R」シリーズとも呼ばれている)。
第3世代は、ハリケーンや雷雨、竜巻などの公共の安全に関わる気象観測が目的。加えて、地球の天気や海洋、リアルタイムの高解像度の提供、大気測定も担う。さらに太陽活動や宇宙天気の監視もこなす。5月に発生した記録的な太陽フレアもGOESが観測した。
関連情報
GOES-U特設サイト(NOAA環境衛星データ情報局=National Enviromental Satellite,Data,and Information Sevice:NESDIS)
Space.com