ディープテックスタートアップ特化ファンドにJAXAも出資--非宇宙分野も対象

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ディープテックスタートアップ特化ファンドにJAXAも出資–非宇宙分野も対象

2024.06.17 08:00

UchuBizスタッフ

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 ディープテックスタートアップ企業に投資する独立系ベンチャーキャピタルのFrontier Innovations(東京都中央区)は6月14日、同社が無限責任組合員(General Partner:GP)として運営する「Frontier Innovations 1号投資事業有限責任組合」(FI1号ファンド)を組成したことを発表した。

 同ファンドには宇宙航空研究開発機構(JAXA)が有限責任組合員(Limited Partner:LP)として出資した。国立研究開発法人がLP出資する初のファンドになる。JAXAがアンカーLP出資する初のファンドとなるFI1号ファンドには、三井住友銀行三井不動産日本政策投資銀行三井住友海上火災保険、日ノ樹、インキュベイトファンドなどがLP投資している。

 FI1号ファンドは、シードやアーリーの段階にある、宇宙分野のディープテックスタートアップ企業が主な投資対象。非宇宙分野でもクライメイトテックやAI(人工知能)、ロボティクス、センサーなどの要素技術、拡張現実/仮想現実(AR/VR)なども投資対象にしている。

 運用期間は15年(最大3年の延長を含む)と比較的長期に設定している。事業化に長い時間がかかる宇宙をはじめとするディープテックスタートアップへの投資に積極的に取り組むことが可能としている。

 FI1号ファンドは予定通りに一次募集を完了したと説明する。

 Frontier Innovationsの代表取締役社長である西村竜彦氏は政府系ベンチャーキャピタルである産業革新機構(INCJ)で宇宙産業チームを組成、ispaceやQPS研究所、Ridge-Iなどにリード投資し、社外取締役を担うなどの経験と実績があると説明する。

 2021年4月に「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律」が改正され、JAXAは研究開発の成果を活用する民間企業などに出資するとともに人的、技術的に援助できるようになっている。今回のLP出資も2月に文部科学大臣が認可している。

(出典:Frontier Innovations)
(出典:Frontier Innovations)

関連情報
Frontier Innovationsプレスリリース
JAXAプレスリリース

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