小惑星探査機「サイキ」、イオンエンジンを始動--最終速度は時速何万キロ?

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小惑星探査機「サイキ」、イオンエンジンを始動–最終速度は時速何万キロ?

2024.05.27 16:30

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)は現地時間5月22日、小惑星探査機「Psyche」(サイキ)のイオンエンジンの始動を開始したと発表した。

 2023年10月に打ち上げられたPsycheは、火星と木星の間で太陽を周回している小惑星「16 Psyche」(プシケ)の探査を予定している。同小惑星はニッケルや鉄といった金属が豊富で、調査から太陽系の成り立ちの解明が期待されている。

探査機の予定航路。2026年5月に火星の重力でフライバイする予定(出典:NASA / JPL-Caltech)
探査機の予定航路。2026年5月に火星の重力でフライバイする予定(出典:NASA / JPL-Caltech)

 イオンエンジンはPsycheに搭載された太陽電池パネルで発電し、キセノンガスのイオンを加速して放出することで、推進力を生み出す。現在、Psycheは時速13万5000kmで飛行しており、今後は時速20万kmまで加速する予定だ。

 Psycheの16 Psycheへの到着は2029年が予定されている。探査機は小惑星を少なくとも2年間周回し、その間に探査活動を実施する。

探査機に搭載されているものと同じイオンスラスタ。青く光っているのがキセノンのイオン(出典:NASA / JPL-Caltech)
探査機に搭載されているものと同じイオンスラスタ。青く光っているのがキセノンのイオン(出典:NASA / JPL-Caltech)

 Psycheには、レーザーを活用した光通信端末「Deep Space Optical Communications(DSOC)」が搭載されている。先日、2億2600万km離れた地球との通信に成功した。DSOCによる光通信は、従来の無線通信と比較し、10倍から100倍とはるかに高速な通信が可能。2億2600万kmという距離は、地球と太陽の平均距離(約1億5000万km=1au)よりも長い。

探査機は2029年に到着予定(出典:NASA/ JPL–Caltech / ASU)
探査機は2029年に到着予定(出典:NASA/ JPL–Caltech / ASU)

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NASA発表
Psycheミッション概要

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