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「宇宙エレベーター」仕組みは?いつ実現?–大林組が映像提供の体験コンテンツ

2024.05.20 16:00

小口貴宏(編集部)

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 東京臨海部で開催中のテクノロジーイベント「SusHi Tech Tokyo 2024」。有明アリーナ(東京・江東区)の会場では、宇宙エレベーター(軌道エレベーター)を疑似体験できる「SPACE GATE」を出展している。なお、映像は大林組が提供したものだ。

SPACE GATEの外観
SPACE GATE内

宇宙エレベーターとは

 宇宙エレベーターとは、地球と宇宙をケーブルで結ぶ輸送システムだ。実現すれば、まるでビルのエレベーターのように、宇宙と地上を行き来できる。また、化学ロケットと比べて宇宙への輸送コストを大幅に低減できる。

大林組が構想する宇宙エレベーター(出展;大林組)

 宇宙エレベーターの仕組みは運動会の「綱引き」に似ている。ケーブルは宇宙空間の静止軌道(高度約3万5786 km)まで伸び、その先にカウンターウェイト(重り)が取り付けられる。ケーブルは地球の自転と同期しており、宇宙側には遠心力がかかる。この遠心力によってカウンターウェイトがケーブルを引っ張り、地上と宇宙の間でケーブルがピンと張って安定する。なお、ケーブルは静止軌道を結ぶため、地上からは真上に伸びる「ビル」のようにも見える。

 大林組の構想では、ケーブル長は静止軌道を超え、9万6000kmに達する。地表から離れるにつれて遠心力が強くなり、より深宇宙を探査するために必要な「速度」を得られる。このため、途中に火星に向かうゲートや、木星・小惑星帯へ向かうゲートを設ける計画だ。

さらに、地上から静止軌道に達するまでには数日を要すことが想定される。そのため、エレベーター内はホテルライクな居住空間とする計画だ。

大林組の構想

 なお、宇宙エレベーターを実現するには、上記の「綱引き」に耐える素材が必要だった。しかし「カーボンナノチューブ」が発見されたことで、素材面では実現可能性が高まっている。大林組によると、ケーブルやクライマーを開発し、2025年にアース・ポートを着工できれば、25年間の工期で静止軌道ステーションの供用を2050年にも開始できるとしている。なお、設置場所は赤道上が想定されている。

 SusHi Tech Tokyo 2024の展示では、宇宙エレベーターに乗り込み、静止軌道ステーションまでの映像を360度のスクリーンで楽しむことができた。

関連:SusHi Tech Tokyo 2024

(更新:5月22日14時)初出時、「大林組が出展」と記載していましたが、大林組は映像を提供しただけでした。訂正しお詫びいたします。

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