北緯40度でも「オーロラ」観測--磁気嵐の強さは「最強」

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北緯40度でも「オーロラ」観測–磁気嵐の強さは「最強」

2024.05.13 18:00

塚本直樹

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 5月8日以降、太陽の表面で起きる「太陽フレア」と大規模な太陽フレアに伴う「コロナ質量放出(CME)」が発生。CMEで大量のプラズマが地球に衝突。米海洋大気庁(NOAA)によれば、宇宙天気のスケールで「G4からG5に相当」する、激しい磁気嵐を引き起こした。これにより、北緯40度付近の都市でオーロラが観測されている。海外メディアのSpace.comが報じている

 画像は、Space.comで編集者を務めるDaisy Dobrijevic氏が、5月10日にイギリスのノッティンガムから撮影したものだ。オーロラはヨーロッパや北米、そして日本の北海道でも、観測が報告されている。

 NOAAのBill Murtagh氏はインタビューで「G5の磁気嵐を引き起こすには、並外れたCMEが必要だ」と語っている。磁気嵐は5月13日まで発生する可能性があるという。

 NOAAの宇宙天気スケールでは、磁気嵐をG1~G5の強度で示している。G5では、電力の電圧制御の問題や電力保護機器の問題が発生する可能性があり、停電に陥る可能性があるとしている。

 磁気嵐がG5の場合、オーロラが北緯40度付近でも見えることもある。緯度で都市を見ると、北緯48度はパリやミュンヘン、北緯43度は札幌、北緯42度がローマ、北緯40度がニューヨークや青森、北京となっている。オーロラは通常北緯65度付近で観測できる。

 このような活発なCMEとオーロラは、太陽が約11年間の周期の中でも、特に活発な段階にあるときに発生する。現在、太陽は2024年末から2026年初めに起こる「極大期」に向かっている。

(出典:Daisy Dobrijevic氏)
(出典:Daisy Dobrijevic氏)

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Space.com

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