ニュース

「本物そっくりの東京」を衛星データとAIで自動生成–スペースデータが14.2億円を調達

2022.08.03 15:35

小口貴宏(編集部)

facebook X(旧Twitter) line

 スペースデータは、シードラウンドで複数の投資家から総額14.2億円の資金調達を完了した。外部からの増資による資金調達は今回が初としている。

 同社は衛星データを用いて、「本物そっくりのニューヨーク」や「本物そっくりの東京」といった、地上を再現した3DCGを人工知能(AI)で自動生成する技術を開発している。

 具体的には、人工衛星から地上の静止画像と標高データを取得し、機械学習を用いて地上の構造物を分類し構造化したうえで、地上の3Dモデルを自動生成する。また、3DCG技術によって石や鉄、植物やガラスなどの細かな材質も自動的に再現できるという。

 なお、同社によると、従来の同様の取り組みでは衛星写真などを3Dモデルに貼り付ける方式が一般的で、俯瞰的な地上の3DCG化には向くものの、ヒトの一人称視点では写真の解像度が足らなかった。これが違和感を生じさせたため、VRやゲーム、映像制作や自動運転など高度なビジュアルが求められる領域では活用が進んでいなかったという。

 一方の同社が開発したアルゴリズムでは、ヒトの一人称視点での3Dモデルを自動生成することを得意とし、近い距離でも景観が劣化しにくいため、メタバースやゲーム、映像制作といった、人間の視点で動き回る用途にも活用しやすい利点があるとしている。

 今回の資金調達にはSpiral Capital、宇宙フロンティアファンド、KDDI Open Innovation Fund3号、GREE Ventures、平尾丈氏、富島寛氏、THE CREATIVE FUND、Headline Asia、前澤友作氏、MZ Web3ファンドなどが参加した。

Related Articles