ボイジャー1号、データ転送問題に解決の糸口みつかる--異常信号を解読

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ボイジャー1号、データ転送問題に解決の糸口みつかる–異常信号を解読

2024.03.15 16:30

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)は米国時間3月13日、探査機「Voyager 1」(ボイジャー1号)のデータ転送問題を解決する手がかりを発見したと発表した。

 Voyager 1は1977年9月に打ち上げられ、木星と土星の環、小惑星を探査した後、太陽系を脱出。一方で2023年12月には搭載コンピューター「Flight Data System(FDS)」に障害が発生し、データ転送の問題が続いていた

 NASAによれば、Voyager 1から送られてくる、0と1で構成された「バイナリコード」は、2023年末から意味を持たいないものとなっていた。しかし、NASAで深宇宙ネットワーク(Deep Space Network:DSN)を担当するエンジニアがこのコードを見たところ、異常信号を解読し、FDSの全メモリ読み出しが含まれていることを発見した。

 チームは今後、Voyager 1のバイナリコードと以前の正常なデータを比較する予定だ。FDSのソフトウェアパッケージで破損か損傷したセクションを回避し、問題が解決できるかどうかを判断する。

 Voyager 1は、当初の目標であった木星と土星の衛星などを観測した後、2012年8月25には太陽圏(ヘリオスフェア)を脱出し、現在は地球から約240億km離れた星間空間を航行中だ。

星間空間を飛行するVoyager 1のイメージ(出典:Caltech / NASA-JPL)
星間空間を飛行するVoyager 1のイメージ(出典:Caltech / NASA-JPL)

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