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KDDIなど、宇宙飛行士の健康管理プログラムを検討–JAMSSの共創パートナーに

2022.07.22 17:40

飯塚直

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 KDDIは7月22日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が運営する「THINK SPACE LIFE(TSL)アクセラレータプログラム2021」を共催する有人宇宙システム(JAMSS)の共創パートナーに選定されたと発表した。

 JAMSSは、TSLアクセラレータプログラム2021で「持続可能な自己管理行動を支える遠隔・健康管理支援サービスの開発」を募集しており、KDDIは「宇宙飛行士の健康管理手法と行動変容を促す技術を用いた、健康管理プログラムの開発」を提案していた。

 KDDIとKDDI総合研究所、PREVENT(名古屋市東区)の3社は今後、JAMSSとともに宇宙飛行士の健康管理手法を活用した健康管理プログラムの開発を検討していく。

 また、同社の5G通信を基盤に、JAMSSの宇宙飛行士の優れた健康管理手法とPREVENTのオンライン完結型の生活習慣病の重症化予防の知見、KDDI総合研究所の社会心理学や認知心理学の知見に基づく行動変容を促す技術などを掛け合わせ、地上生活者や宇宙飛行士、宇宙旅行者の生活習慣病の予防を目指す。

 JAXAの「THINK SPACE LIFE(TSL)プラットフォーム」からメンタリングや実証の場連携などの支援を受け、検討を加速させるという。TSLアクセラレータプログラムは、TSLプラットフォームの一環。

 宇宙飛行士は、ミッションに指名されていなくても医学検査を行い、健康状態を管理、維持する必要がある。ミッション任命後は、各種訓練・ミッションを無事遂行するために健康を維持し、帰還後は飛行前の体力と健康状態に戻れるように、計画的にリハビリテーションを実施している。

 JAMSSは、少数精鋭の専門家が幅広い企業や機関と連携し、宇宙飛行士の健康管理を支援している。これにより、宇宙飛行士の生活習慣病の発病など健康管理上のさまざまなリスクを低減している。

 一方で、専門家の知見に頼るところが多く、代替がきかないことや、今後人類の宇宙進出の拡大が期待されている中で、宇宙飛行士や宇宙旅行者の健康管理の負担軽減も検討が必要となっている。

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