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KDDIとGITAI、ロボットで基地局アンテナ設置に成功–月での通信環境構築を想定
2024.03.06 16:39
KDDIとGITAI USAはロボットで基地局のアンテナを設置することに成功した。2023年12月7日に実施した。月面での通信環境構築を想定した。GITAI USAは、宇宙用汎用作業ロボットを開発するGITAI Japan(東京都大田区)の米法人。KDDIが3月6日に発表した。
米航空宇宙局(NASA)や宇宙航空研究開発機構(JAXA)など世界各国の宇宙機関は、2020年代後半の有人月面着陸、継続した月面探査活動を通じた科学的発見や産業振興、次世代の育成を目指す「Artemis」計画を進めている。
継続した月面探査活動には、月面上での高速大容量な通信環境が必要とされており、月面でのモバイルネットワーク構築が期待されている。
月面は、放射線量が地球上の200倍、温度がマイナス170度から110度まで変化するなど過酷な環境であり、モバイルネットワーク構築には無人での基地局設置が必要という。
地球上で利用している基地局の機器は人間が作業することを前提に設計されているため、ロボットだけで基地局を設置できる支柱やアンテナなどを開発する必要がある。
こうした課題解決に向け、国際宇宙ステーション(ISS)でロボットの自律作業を成功させた実績のあるGITAI USAと、基地局を無人設置するための手法を検討するとともに無人で設置できる機器の開発を目指して取り組んだ。
ロボットだけで設置できる、基地局の支柱やアンテナを新たに試作。月面模擬環境にあらかじめ設置していた5mの支柱まで、GITAI製探査車(ローバー)「R1.5A」がアンテナを運搬し、2台のGITAI製ロボットアーム「IN2」がアンテナを支柱頭頂部まで持ち上げて支柱に接続することに成功した。
ローバーに接続されている別のロボットアームが、アンテナのケーブルを接続し、通電していることを確認している。ロボットアームでケーブルと支柱頭頂部のアンテナを取り外している。
KDDIとGITAIは、月面探査活動を支援するため、今回の取り組みを通じて得た知見をもとに月面モバイルネットワーク構築を目指していくとしている。
KDDIは、有望なベンチャー企業への出資を目的とした「KDDI Open Innovation Fund 3号」(グローバル・ブレインが運営)を通じてGITAI USAに出資。オープンイノベーションへの取り組みについても引き続き強化し、共創パートナーとともに新たな体験価値を創造していくとしている。
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KDDIプレスリリース