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DigitalBlastと富山大学、重力発生装置の試作品でコケ栽培の適合性を試験

2022.07.14 08:00

飯塚直

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 DigitalBlast(東京都千代田区)は7月13日、富山大学の研究グループとコケ栽培実験の地上での適合性試験に関する共同研究契約を締結し、研究を開始したと発表した。

 近年、NASAによるアルテミス計画をはじめとした有人宇宙探査が盛り上がりを見せており、宇宙環境での食の確保や植物栽培に対する課題意識が高まっている。

 DigitalBlastは、国際宇宙ステーション(ISS)など、微小重力環境が植物の育成に大きな影響を及ぼすことが明らかになっている一方で、月や火星といった低重力環境の植物育成への影響は現在十分に把握できていないと説明する。

 こうした状況を踏まえ、同社は、月面での生態循環維持システム構築に向けたプロジェクト「NOAH」を立ち上げている。また、プロジェクトの第一歩の位置付けとして、月面と同じ地球の6分の1の重力を発生する重力発生装置「AMAZ」を開発。2024年のISSへの設置・運用を目指している。

 今回、宇宙での植物実験の研究経験がある富山大学 学術研究部理学系・唐原一郎教授、蒲池浩之准教授の協力のもと、宇宙実験を見据え、AMAZを活用した地上での適合性試験を実施することになった。

 具体的には、完成したAMAZのプロトタイプを用いて、コケ栽培実験の地上での適合性試験を実施する。また、試験で得られたデータをもとに、AMAZの仕様を調整して、宇宙実験に向けた最適化するとしている。

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