北海道宇宙港「HOSPO」に企業版ふるさと納税で1.3億円--3カ月で20社が寄付

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北海道宇宙港「HOSPO」に企業版ふるさと納税で1.3億円–3カ月で20社が寄付

2024.02.01 07:00

飯塚直

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 宇宙港「北海道スペースポート」(HOkkaido SpacePOrt:HOSPO)がある北海道大樹町とHOSPOを管理、運営するSPACE COTAN(北海道大樹町)は1月31日、HOSPOプロジェクトの資金として、2023年10~12月に北海道内外の20社から企業版ふるさと納税で合計1億3480万円の寄付を集めたと発表した。

 「宇宙のまち」を掲げる大樹町では、HOSPOの施設を拡充するハード整備(航空公園機能拡充事業)と、町内に進出した宇宙関連企業をサポートするソフト支援(航空宇宙関連ビジネス推進事業)を2本柱に、プロジェクトを推進している。

 今回の寄付の内訳は、ハード整備に9430万円、ソフト支援に4050万円。

 寄付元は、アモーチェ、有我工業所、アルプス技研、共成レンテム、クロスドリーム、シバウラ防災製作所、ズコーシャ、セコマ、東京建物、日本旅行、日本旅行北海道、本間解体工業、マナブデザインなど。

 2020年4月からの合計では、延べ205社から24億8335万円(ハード:10億1665万円、ソフト:14億6670万円)の支援を受けたことになる。

 大樹町とSPACE COTANは、北海道に航空宇宙産業を集積させる「宇宙版シリコンバレー」の早期実現を目指して、宇宙港の整備と宇宙関連企業のビジネス支援を進め、宇宙産業による地方創生を推進。引き続き整備資金として企業版ふるさと納税を募集していくという。

3カ月間で20社から1.3億円が寄付(出典:SPACE COTAN)
3カ月間で20社から1.3億円が寄付(出典:SPACE COTAN)

 世界の宇宙市場は、民間宇宙ビジネスの拡大や安全保障領域の重要性の高まり、衛星コンステレーションを構成する小型人工衛星のサービスの普及などから、2040年には現在の3倍近い110兆円を超える巨大市場に成長すると予測されている。小型人工衛星の需要を受けて、小型人工衛星を宇宙に運ぶためのロケットに対する需要も高まっている。

 しかし、宇宙輸送サービスは、需要に対して不足しているという。

 国内では、基幹ロケットの打ち上げ回数が年数回と少ないため(2022年度の日本での打ち上げ回数はゼロ)、民間の商業衛星はSpace Exploration Technologies(SpaceX)などの海外ロケットに依存している。

 2023年6月に閣議決定された宇宙基本計画に基づき、他国に依存せずに宇宙へのアクセスを確保するとともに自立的な宇宙活動を実現させるための具体的な政策として、文部科学省による民間スタートアップを支援する制度「中小企業イノベーション創出推進事業」(SBIRフェーズ3)が開始した。宇宙輸送分野には5カ年350億円の予算が配分され、1社最大140億円が交付されるなど、民間ロケットの開発や実用化の支援が開始された。

 大樹町とSPACE COTANによると、インターステラテクノロジズやSPACE WALKERなど、SBIRフェーズ3に選ばれた企業がHOSPOでの実験や打ち上げを希望しており、民間が利用できるロケット発射場の必要性がさらに増しているという。

 HOSPOは、国内外の民間企業などを対象としたロケット発射場やスペースプレーンの発射場・実験場を整備。航空宇宙産業のインフラとして、打ち上げを支援している。

 現在、日本国内でもいくつかの宇宙港の整備や計画が進んでいるが、垂直型と水平型の両方に対応する「複合型」はHOSPOが国内唯一と説明する。

 HOSPOでは、政府や民間企業、大学などの航空宇宙実験が年間30件程度行われ、すでに民間ロケットスタートアップの観測ロケットが宇宙空間に到達するなどの実績を有している。

 2022年からは人工衛星を打ち上げるためのロケット発射場「Launch Complex-1」(LC-1)と、次世代モビリティの実験が可能な滑走路の延伸工事を開始。整備財源には、企業版ふるさと納税と内閣府デジタル田園都市国家構想交付金(地方創生拠点整備タイプ)を活用している。

 LC-1完成後は、インターステラテクノロジズなど、国内外の事業者による人工衛星用ロケットの打ち上げを予定し、延伸後の滑走路は準軌道(サブオービタル)を飛行するスペースプレーンのほか、空飛ぶ車やドローンなどの次世代エアモビリティの実験なども予定している。

 国内外から多くのロケット打ち上げ事業者を受け入れるため、高頻度の打ち上げに対応する発射場「Launch Complex-2」(LC-2)を整備するとともに、2地点を高速で移動する「P2P」が可能なスペースプレーンが離発着できる3000m滑走路新設も計画しているという。

HOSPOの整備計画(出典:SPACE COTAN)
HOSPOの整備計画(出典:SPACE COTAN)

関連リンク
SPACE COTANプレスリリース

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