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日本初の月面着陸は「ギリギリ合格の60点」–JAXA

2024.01.20 05:11

小口貴宏(編集部)

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 JAXAの宇宙科学研究所で所長を務める國中均氏は1月20日の会見で、小型月着陸実証機「SLIM」の月面着陸成功について「ギリギリ合格の60点」と評価した。

左からJAXA宇宙科学研究所で副所長を務める藤本正樹氏、同所長を務める國中均氏、JAXAで理事長を務める山川宏氏

 SLIMは日本初となる月面着陸に成功し、世界でも旧ソ連、米国、中国、インドに続く5カ国目の快挙となった。さらに、超小型プローブ2機「LEV-1」「LEV-2」の展開にも成功した。

 しかし、着陸後に太陽光パネルが発電しないなどの課題が発生していることや、國中氏の「所長」という立場を踏まえ、辛口に評価したという。

 なお、SLIMでは、着陸成功について3段階に分けて定義している。

 「ミニマムサクセス」は、小型軽量な探査機による月面着陸を実施すること。
 「フルサクセス」は、精度100m以内の高精度着陸が達成されること。
 「エクストラサクセス」は、高精度着陸に関する技術データ伝送後も日没までの一定期間、月面における活動を継続し、将来の本格的な月惑星表面探査を見据え、月面で活動するミッションを実施すること。

 このうち、月面への軟着陸に成功したことからミニマムサクセスは達成。フルサクセスに相当する精度100m以内の高精度着陸については「成否の判断に1カ月程度かかる」とするものの、肌感覚として「成功している可能性が高い」(國中氏)としている。

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