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光学観測サービス「AxelGlobe」、電子国土基本図に活用–雲のない画像を生成
2024.01.16 12:07
国内唯一の光学衛星コンステレーションを運用するアクセルスペース(東京都中央区)が提供する地球観測プラットフォーム「AxelGlobe」が国土地理院が進める「衛星・AIを活用した地図更新の効率化」に採用された。AxelGlobeで運用される光学衛星「GRUS」5機で撮影した画像提供などを通じて国土地理院が取り組む「電子国土基本図」の整備、更新に貢献していくとしている。アクセルスペースが1月16日に発表した。
電子国土基本図は、日本の国土を統一規格で表すために国土地理院が作成するデジタル形式の基本図。カーナビや地図アプリ、災害の危険性が高い場所を色分けなどで示す“ハザードマップ”など民間企業や行政機関のあらゆる地図の基礎として活用されている。電子国土基本図の整備や更新、活用促進は、政府の重要施策の一つに位置付けられている。
国土地理院は、電子国土基本図での整備や更新、活用促進での生産性向上を目的に、2つの異なる時期に撮影された衛星画像とAIでの画像分析から、変化したところを抽出する技術の開発とシステムの構築を進めてきた。
今回のAxelGlobeの採用は、全国の道路や建物、土地の状況を表す植生、崖、岩、構造物などの情報である“地物”の最新状況を表す、雲のない衛星画像データを提供して、国土地理院の取り組みを後押しすると表現している。
AxelGlobeは、最大2.5mの“分解能”(地上の2.5mのものを識別できる能力)を持つ5機のGRUSで地球上の同じ地点を2~3日に一度の頻度で観測できる。GRUSの高い姿勢制御を生かして、世界中の観測データをユーザーの要望に応じた“タスキングベース”で提供可能という。今回のプロジェクトでは「AxelGlobeモザイク」を新たに開発。複数回撮影した同じ地点の画像で雲のない画像データを組成、提供している。
AxelGlobeモザイクは、地図作成に必要な衛星画像モザイクをオンデマンドで提供。数千~数万km2の範囲をカバー、関心のある分野ごとに柔軟にモザイク生成を依頼できるとしている。