ワープスペース、月と地球を結ぶ光通信用の高感度センサーを開発へ--JAXAから受託

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ワープスペース、月と地球を結ぶ光通信用の高感度センサーを開発へ–JAXAから受託

2023.12.20 15:12

佐藤信彦

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 ワープスペース(茨城県つくば市)は、月と地球を結ぶ長距離光通信システムの実現に必要な高感度光センサーの開発業務を、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から受託した。

 ワープスペースは、小型人工衛星による宇宙空間向け光通信サービスの商用提供を目指している、筑波大学発のスタートアップ。地球を周回する人工衛星と地上局との通信のほか、月と地球間の通信を、光通信に対応する人工衛星で中継する計画。

 宇宙での光通信では、接続前に通信する双方の衛星を光学スキャンで捕捉しなければならない。ただし、月と地球間では通信用の衛星が40万kmも離れており、大きく減衰する光を検知できる超高感度センサーが必要になる。

 ワープスペースはJAXAからの受託により、InGaAs四分割アバランシェフォトダイオードによる光センサーのプロトタイプ開発を済ませている。

 今回の開発受託では、実用化に近づけようとノイズのさらなる低減に取り組む。センサーシステム全体をマイナス20度まで冷やし、センサーのサイズを小さくすることで、暗電流を抑制してノイズを減らす計画。開発業務は2024年2月末に完了させる予定。

月と地球を光通信で結ぶ(出典:ワープスペース)
月と地球を光通信で結ぶ(出典:ワープスペース)

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ワープスペースプレスリリース(PR TIMES)

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