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ESA、月の衛星コンステレーション「Moonlight」を活用するビジネスプラン募集
2023.10.11 17:13
欧州宇宙機関(ESA)は、月の軌道上で通信と航法(ナビゲーション)に利用できる衛星コンステレーションの構築を計画しており、これを活用するビジネスプランの募集を始めた。
ESAは、月の軌道を周回する人工衛星によるコンステレーションを構築する「Moonlight」計画を通じ、通信と航法の機能を提供する予定だ。このコンステレーションは、月の探査や開発だけでなく、月と地球のビジネスにも活用できると考えている。ビジネスのアイデアとして、ESAは以下のような例を示した。
- エネルギー:月で運用する発電・蓄電・配電インフラの遠隔管理に通信サービスを利用
- 採掘:水や酸素、水素、各種鉱物を採掘する際の測位に利用
- データセンター:機器を冷却しやすい月の極地にデータセンターを設置し、データ転送に通信サービスを利用
- エンターテインメント:月の環境を利用したゲームや映画、その他レジャーに月でのナビゲーション機能や月と地球間の通信回線を利用
ESAは、寄せられたアイデアから優れたものを選んで1年契約を結び、実現性などを検討する。
こうしたビジネスは雇用創出につながり、大きな経済効果が期待できるという。ある予測によると、月関連ビジネスは2030年代に400億ユーロ(約6兆3144億円)規模となり、2040年には1600億ユーロ(約25兆2576億円)まで拡大する可能性があるとしている。
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ESA発表