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JAXAと英宇宙庁、H3のテレメトリーを静止衛星で中継する「InRange」開発で協力
2023.10.10 14:59
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と英宇宙庁(UKSA)は、「H3」ロケットのテレメトリー(遠隔測定データ)を静止衛星で中継するサービスの開発プロジェクト「InRange」について、両国間で協力すると発表した。
ロケットの打ち上げ時には、地上追尾局でテレメトリーを取得して飛行状況などを監視している。これに対し、InRangeは静止衛星のLバンド(周波数0.5~1.5GHz、波長200~600mm)ネットワークを利用し、軌道上でテレメトリーを中継することでロケットを追尾する。
InRangeを次期基幹ロケット、H3に適用すれば、地上追尾局への依存を軽減でき、地上追尾局の可視範囲に依存しないで軌道を決められる。その結果、打ち上げ軌道を最適化できるようになり、宇宙機の軌道投入に必要な燃料の削減やペイロードの重量化も期待できるという。
InRangeで利用する静止衛星Lバンドネットワークは、衛星インターネットサービス事業の米Viasatが運用している「ELERA」。Viasatが打ち上げロケット用の軌道上テレメトリー中継サービスの開発を担当し、UKSAが開発資金の一部負担をするなど支援する。UKSAが今回Viasatに助成した金額は170万ポンド(約3億1000万円)。
日本では、JAXAがH3のテレメトリー送信機とアンテナの開発を担当し、既存の地上設備をInRangeに対応させる技術開発も行う。開発業務は、三菱重工業とNECスペーステクノロジーが請け負う。
InRangeの検証は、H3で飛行実証する予定。
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