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ロケット打ち上げ後のブースターをヘリコプターが空中キャッチ–Rocket Lab

2022.05.12 14:43

佐藤信彦

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 ロケット打ち上げ事業を手がける米Rocket Labは、人工衛星の打ち上げ後に切り離されたロケットブースターを、ヘリコプターで一時的に空中回収できたと発表した。

ヘリコプターでブースターを空中回収する計画(左上から時計回り、出典:Rocket Lab)
ヘリコプターでブースターを空中回収する計画(左上から時計回り、出典:Rocket Lab)

 Rocket Labは、打ち上げに使う「Electron」ロケットの1段目を空中で回収する「There And Back Again」計画に取り組んでいる。使用済みブースターを再利用することで、打ち上げ頻度を高め、小型衛星の打ち上げコストを減らす考え。

 今回、26回目となるElectronの打ち上げでは、切り離されてパラシュートを開いて降下中の1段目に、ヘリコプター「Sikorsky S-92」が接近。ヘリコプターは、高度6500フィート(約2000m)でフックをパラシュートの紐(パラコード)に引っかけた。回収に成功したのは、これが初めてだという。

回収に使うSikorsky S-92(出典:Rocket Lab)
回収に使うSikorsky S-92(出典:Rocket Lab)

 ただし、ヘリコプターに想定外の負荷がかかったため、ブースターを切り離して海面へ着水させた。船で回収されたブースターは、Rocket Labの施設で点検後、次の打ち上げに向けて整備される予定。

 この打ち上げでは、人工衛星34機の軌道投入を成功させている。これで、Electronが軌道投入した衛星は累計146機となった。

打ち上げの目的は成功(出典:Rocket Lab)
26回目のElectronロケット打ち上げ(出典:Rocket Lab/YouTube)

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