「Voyager 2」との途絶えていた通信が回復「なんとか家に電話できて良かった」

ニュース

「Voyager 2」との途絶えていた通信が回復「なんとか家に電話できて良かった」

2023.08.08 14:40

佐藤信彦

facebook X(旧Twitter) line

 米航空宇宙局(NASA)は、米国時間7月21日から通信途絶状態にあった探査機「Voyager 2(ボイジャー2号)」との通信が回復したと発表した。

 通信途絶の原因は、NASAがVoyager 2へ誤った命令を送信したこと。Voyager 2の通信アンテナの角度が2度地球からずれてしまい、地球との通信が途絶えてしまった。その後、NASAはVoyager 2が発しているデータ通信のベースとなる搬送波信号を捕捉し、Voyager 2の正常動作は確認できていた。

 Voyager 2には、機体の向きを自動的にリセットする機能があり、10月15日に行われる次回リセットで通信が回復する見通しだった。ただし、NASAはVoyager 2へ姿勢再調整の命令を送信し、10月以前の復旧を試みた。

 その結果、米東部夏時間(EDT)8月4日午前0時29分、Voyager 2から科学観測データと各種計測データの送信が開始され、地上局で受信できたという。これにより、Voyager 2の動作が正常で、予定の軌道を航行中と判明。NASAのVoyagerミッション公式X(旧Twitter)アカウントは、Voyager 2の“声を代弁”し「なんとか家に電話できて良かった」と投稿した。

 Voyager 2は、太陽系の外惑星を調べることが主目的の探査機。1977年に打ち上げられ、木星と土星、海王星、天王星を調査。2018年に太陽圏(ヘリオスフィア)を脱出し、現在は地球から199億km離れた恒星間空間を航行中。地球からの電波が届くのに18時間半かかるほど遠くにあり、コマンド送信の結果を受信するのに往復37時間かかってしまう。

太陽系を脱出したVoyager 2とVoyager 1(出典:NASA)
太陽系を脱出したVoyager 2とVoyager 1(出典:NASA)

関連リンク
NASA発表
Voyagerミッション公式X(旧Twitter)アカウントツイート

Related Articles