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QPS研究所、軌道上でSARデータの画像化に成功–送信量を1000分の1以下に圧縮
2023.07.21 16:36
小型の合成開口レーダー(SAR)衛星を開発するQPS研究所(福岡市中央区)は7月21日、同社の「QPS-SAR」衛星6号機「アマテル-III」が軌道上でのSARデータの画像化に成功したと発表した。書き換え可能な半導体「Field Programmable Gate Array」(FPGA)を搭載した軌道上画像化装置を活用した。
QPS研究所と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、軌道上での技術実証で共同で研究している。軌道上画像化装置は、従来は地上の計算機で行っていたデータ処理を、高速処理が可能なFPGAに適したアルゴリズムに書き換えてファームウェア化することで衛星搭載用の装置として実現したものという。
今回、アマテル-IIIの軌道投入後の初期チェックの一環として、あらかじめ格納していたSARデータ(QPS-SAR2号機「イザナミ」で取得)を軌道上画像化装置で画像化処理を実行した結果、約23秒で画像化した。
圧縮処理することで、地上への送信データ量を生データ送信時の1000分の1以下(0.0845%)の圧縮に成功。地上でのSAR画像入手までの時間も大幅に短縮できたとしている。
今回の技術実証で、ユーザーがリクエストしてからSAR画像提供までの即応性がより高まることが見込まれ、QPS研究所が目指す36機の小型SAR衛星コンステレーションによる「準リアルタイム観測データ」提供の実現が前進、新たな価値の創出、社会課題解決の可能性、新しいビジネス展開が期待できるという。
QPS研究所とJAXAは今後、共同で軌道上実証結果の詳細解析を進め、アマテル-IIIで取得したSARデータの軌道上画像化処理を継続して進めいくとしている。