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上場廃止危機のAstra、エンジン事業を子会社として分離–資金調達が可能に

2023.07.07 16:41

塚本直樹

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 ロケット開発を手掛ける米Astra Space(Astra)が、宇宙船エンジン開発事業を完全子会社「Astra Spacecraft Engines」として切り離したと米TechCrunchが報じた。この再編成によって、子会社を担保にして融資を受けるなど、新たな資金調達が可能になる。

 Astraは小型ロケット「Rocket 3.3」の打ち上げが順調に進んでいない。また、直近の純損失の計上と手元資金の減少により、事業継続が危ぶまれている。2021年にはNASDAQに特別買収目的会社(Special Purpose Acquisition Company:SPAC)との合併を通じて上場したが、株価は上場廃止基準である1ドルを大きく割り込んでおり、上場廃止が危惧されている。

 なお、宇宙船エンジン開発を担うAstra Spacecraft Enginesには、ロケットを開発するAstra本体とは別の規制が適用されることになる。Astraは国際武器取引規制(ITAR)によって米国外人材の採用に制限が課せられる。一方、エンジン部品を手掛けるAstra Spacecraft Enginesには米国輸出管理規制(EAR)という別のルールが適応されるため、そうした制約がない。

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