2022年創業のINAMI Space Laboratory、第三者割当増資と銀行融資で8000万円調達

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2022年創業のINAMI Space Laboratory、第三者割当増資と銀行融資で8000万円調達

2023.06.26 16:09

飯塚直

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 INAMI Space Laboratory(東京都中央区)は6月26日、シードラウンドとして第三者割当増資と銀行融資で8000万円の資金調達を実施したと発表した。初回決算で売上4200万円の黒字化を1期目から達成しているという。

 同社は、2022年に稲波紀明氏が創業した、宇宙進出を目指す人や企業をトータルサポートする宇宙ベンチャー。稲波氏は2005年にVirgin Galacticの宇宙旅行に申し込み、世界最初の宇宙旅行者100人に選ばれている。

 INAMI Space Laboratoryは、宇宙飛行士だけでなく高齢者や障がい者、医療が必要な人も含め、全ての人が宇宙を目指すことができるように、医療技術と製品の提供を通じて、民間による宇宙進出の支援を目標としている。

 その一環として、IHIエアロスペースとニプロと共同で、宇宙での利用を想定した点滴装置の試作品を開発したと3月に発表。試作品は、バネかゴムを使用し、輸液を引っ張って注入する方式を採用。微小重力環境下でも電源を必要とせず、一定の圧力で輸液を体内に注入できるという。切削工具大手のオーエスジー(愛知県豊川市)のプロトタイプチームリーダーである藤井尉仁氏が協力。3Dプリンターで積層造形している。

宇宙での利用を想定した点滴装置の概要(出典:INAMI Space Laboratory)
宇宙での利用を想定した点滴装置の概要(出典:INAMI Space Laboratory)
IHIエアロスペースとニプロと共同で開発した点滴装置の試作品(出典:INAMI Space Laboratory)
IHIエアロスペースとニプロと共同で開発した点滴装置の試作品(出典:INAMI Space Laboratory)

 INAMI Space Laboratoryによると、人類が宇宙空間で安全に生活し、健康を維持するためには、新たな医療インフラの構築が不可欠であるとしており、今回調達した資金については、その実現に向けた大きな一歩だと説明している。

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