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高校生が衛星に挑戦–Space BDなど花巻を盛り上げるプロジェクト「UP花巻」始動
2022.03.30 08:00
すでに地元の染物企業である伊藤染工場(岩手県花巻市)と、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」の船外プラットフォームを活用するコンテンツ開発に取り組んでいる最中だ。また、同プログラムは地元企業に限らず、企画立案・実行をともに実施する若者も募集し、人材育成の側面も担っている。
UP花巻について花巻北高校 校長 川村俊彦氏は「『立派な中等教育は立派な公民を造ることが目的』という本校の建学の精神と合致する。提案をうかがったとき『これだ』と喜んだ。『花巻から宇宙へ』をキャッチフレーズに、花巻から宇宙時代を支える人材育成に努めたい」と意気込みを語った。
花巻北高校 生徒会長である佐々木芽衣さんは「これからの展望に期待と好奇心が大きく膨らんでいる。(キックオフ時の)永崎氏の講演で印象深かったのが『人生に無駄なことなどない』という言葉。今まさに進路を決めようとしている私たちに大いなる可能性を提示してくださり、職業選択の範囲が大きく広がったと実感している」とコメントを寄せた。
東京大学 大学院 工学系研究科 教授 中須賀真一氏も「(本プロジェクトは)世界初の問題解決プロセス。単に物理や数学を学ぶのではなく、衛星開発に必要だから勉強する。(必要性を理解して学ぶことが)日本の初頭中等教育はできていない。この教育を(プロジェクトを通じて)しっかりと与えたい」と意気込みを語った。
岩手医科大学 薬学部 准教授 阪本泰光氏は「構造生物学分野は最近なら新型コロナウイルスの感染や増殖の分析、ワクチン開発にも使われている。物理学や生物学、化学、数学、語学など各分野の知見と経験も必要だが、高校生が多くの方々を巻き込んで協力しあい、各分野を組み合わせることの面白さ、目的を達成することの楽しさを知って、自らの夢を見つけてほしい」とエールを送った。