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学習院大学、全学共通科目「宇宙利用論」を2023年度開講–SpaceBDと共同開発

2022.03.16 08:00

加山恵美

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 2021年度に実施した「宇宙ベンチャー概論」について、Space BD 事業開発 西真一郎氏が簡単に解説した。3日間のセミナーで1~2日目がオンラインセミナー、3日目がビジネスワークショップとして構成されている。

 1日目は宇宙ビジネス概論として、Space BD 代表取締役社長 永崎将利氏が宇宙ビジネスや同社が参画した経緯などを説明した。永崎氏は文系出身で新卒で商社に入社した経歴を持つ。Space BDが「宇宙商社」を標榜しているのは永崎氏の経験が大きい。

 2日目はSpace BDのエンジニアが宇宙で使われている技術に加えて、それをどのようにビジネスに転用しているかを解説した。

 3日目はグループに分かれてワークショップ。2日間のインプットをもとに、宇宙に関わるサービスを考えて、ビジネスプランをプレゼンテーションする。アイデアソンに近い。

 学生らはベンチャー企業が投資家にアピールする場を想定して発表し、聞き役は投資家のように「どういうメリットがありますか?」「実現可能ですか?」とフィードバックを返した。西氏は「実際、私もファシリテーターでこの空間を一緒に過ごしましたが、かなり緊張感のある空間でした」と当時を振り返る。

 受講後には学生から「宇宙産業技術からどのような価値を見いだし、相手の心にいかに響かせるかという技術を学びました」「働くってこういうことなのか」などの感想が寄せられ、刺激的な機会となったようだ。

 Space BDの西氏は「昨今では大学生でプログラミングを学ぶ方が増えました。宇宙も同様に学ぶようになり、宇宙技術を知っているとかっこいいとなるような世界がすぐやってくると考えております。宇宙ビジネスで何が起きているかを知ることで、(学生らは)自分たちが選んだ進路で何か変わるのでは」と話す。

 続けて小塚氏も「今の学生、Z世代は生まれた時からスマートフォンを当たり前のように使いこなしています。社会に出る時には宇宙をスマートフォンと同じように使いこなす。そんな時代です。使いこなし方を肌で感じ、身につけてほしい」と期待を語った。

 今回締結された学習院大学とSpace BDの産学連携協定ではカリキュラムの共同開発ほか、国内外のインターンシップや教育・研究における宇宙利用の促進も含め、発展が見込まれている。近い将来の宇宙利用に向けた土台作りが始まっている。

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