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第2世代「Starlink」に搭載の新型スラスター、推力・効率性ともに大幅向上–推進剤も安価に

2023.03.08 09:45

塚本直樹

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 Space Exploration Technologies(SpaceX)は新型スラスター「アルゴンホールスラスター」に関する詳細情報を公開した。

 今回のアルゴンホールスラスターは、衛星インターネット「Starlink」の新型衛星「Starlink V2 mini」に搭載されている。このスラスターの実現には、同社が2021年に買収したSwarm Technologiesの技術が役立っている。

 ホールスタスターは磁場を利用して推進剤をイオン化し、プラズマを発生させる。Starlink V2 miniのホールスラスターでは推進剤にアルゴンを利用することで、キセノンやクリプトンよりもずっと安価な運用が可能になる。

 人工衛星では姿勢の調整や他の物体との衝突の回避、寿命を迎えた衛星の軌道離脱などにスラスターを利用する。SpaceXを率いるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、アルゴンホールスラスターは以前のStarlinkのスラスターと比較して、2.4倍の推力と1.5倍の効率性を達成したと発言している。

(出典:SpaceX)

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