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オーロラをイングランド南部やドイツ中部で観測–「コロナ質量放出」で出現
2023.02.28 15:56
欧州宇宙機関(ESA)は、英国のイングランド南部とドイツの中部でオーロラが観測されたと発表した。太陽の活発な活動による「太陽風」と「コロナ質量放出(Coronal Mass Ejection:CME)」の影響だという。
太陽の表面では、ときおり爆発的な現象である「太陽フレア」が起きる。これは強力な放射線や荷電粒子を放出し、太陽風となって宇宙空間に広がる。太陽フレアは、大量のプラズマが放出されるCMEをともなうことがある。強力な太陽風やCMEが地球に達すると、オーロラが出現するほか、磁気嵐となって人工衛星や通信網、送電網に被害を与えてしまう。
例えば、Space Exploration Technologies(SpaceX)は磁気嵐の影響で人工衛星を失ったことがある。総務省は太陽フレアを警戒しており、富士通などは「宇宙天気予報」の研究に取り組んでいる。
今回の太陽風とCMEは、協定世界時(UTC)2月25日深夜に起きた太陽フレアで発生。その影響で、通常は北極圏や南極圏といった高緯度地方でしか見られないオーロラが、イングランド南部やドイツ中部で観測できた。ただし、CMEなどの大半が地球から逸れたため、被害は生じなかったようだ。
ESAは、英国の北ウェールズにあるアングルシー島と、ドイツのブラウンフェルスで撮影されたオーロラの画像を公開した。