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EU、加盟国全域で利用可能な衛星ネット通信サービスを構築へ–2025年に一部開始
2022.02.18 15:57
欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)は、高速な衛星インターネット通信サービスをEU加盟国全域などで利用可能にする計画を発表した。2027年までの予算は、総額60億ユーロ(約7853億円)を見込んでいる。
この計画の目的は、EU加盟国の全域に加え、アフリカや北極圏などでも安定して接続可能な高速衛星インターネット通信サービスを提供すること。政府機関だけでなく、一般の企業や消費者にも開放していく。
資料(PDF)によると、2025年に政府機関向けのサービスを限定的に開始し、2027年に全面的な運用を始めるという。
総額60億ユーロのうち、EUが24億ユーロ(約3142億円)を負担する。不足分はEU加盟国と欧州宇宙機関(ESA)が拠出するほか、民間からの出資で賄う。
さらにECは、民間企業が構築している衛星コンステレーションや各種小型衛星で地球の周回軌道が混雑しつつあることから、リスク低減の必要性を訴えた。そして、“宇宙版の交通整理”といった「Space Traffic Management(STM)」仕組みを作るよう呼びかけている。