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「みちびき」の高精度測位で車椅子ユーザーと視覚障害者の移動を支援
2022.02.18 08:00
車椅子ユーザー向け介助システムを開発するバリアフリーコンソーシアムと、視覚障害者向けナビゲーションシステムを手がけるAshirase(栃木県宇都宮市)は、準天頂衛星システム「みちびき」から得られる精度の高い位置情報を利用し、障害者の移動を支援する実証実験を行った。
車椅子ユーザーの移動支援は、バリアフリーコンソーシアムの「B-SOSシステム」を使用した。B-SOSシステムは、単独移動中の車椅子ユーザーが段差などで動けなくなった際に、専用アプリで助けを求めるためのもの。救援を依頼すると、あらかじめ登録してた介助者に通知され、手助けに来てもらえるという仕組みだ。
今回の実験では、みちびきのセンチメートル級位置補正情報「CLARCS」を参照して位置情報を取得。そして、B-SOSシステムが介助者に高精度の位置情報を伝えることで、早く正確に現場へ駆けつけられるか検証した。
もう1つの実証実験は、視覚障害者の単独移動を「あしらせ」で支援。あしらせは、みちびきのサブメータ級測位補強サービス「SLAS」で位置情報を得て、靴に装着した振動デバイスを使ってナビゲーションする。これにより、視覚障害者向けに生成する誘導情報を聴覚を妨げずに伝えられるという。
実験では、視覚障害者の歩行を約300mナビゲーションする検証を行った。
バリアフリーコンソーシアムは、大分県内の車椅子ユーザーの窓口役を担うおおいたサテライトオフィス(大分県大分市)、システムを開発するラムダシステム(大分県大分市)、CLARCS利用の技術サポートに当たる一般財団法人宇宙システム開発利用推進機構(東京都港区)、取りまとめ役を担うminsora(大分県大分市)で構成。minsoraは、大分県内でB-SOSシステムの事業化に取り組むとしている。