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GITAI、月面作業用ロボットの試験に成功–走って組み立て、資源を採取
2022.02.11 08:00
GITAI Japanは月面作業用ロボットローバー「R1」を開発。模擬月面環境でR1を試験、予定していた全ての試験に成功したという。2022年2月10日に実証動画を公開した。
R1は、月面で探査、採掘、点検、保守運用、宇宙組み立てなどの汎用的な作業ができるように設計、開発。2021年12月に宇宙航空研究開発機構(JAXA)の相模原キャンパス(神奈川県相模原市)で試験した。4つの実験を行った。
走行・移動・障害物走破試験
R1が模擬月面上を移動し、数十センチ級の岩も乗り越えて移動可能な走行性能があることを確認。全方向に向きを変えることができる特殊な脚を備えることで、全方向への移動・障害物走破性能があることも確認致した。
ソーラーパネル組み立て試験
米航空宇宙局(NASA)が構想する月面基地開発で重要となる、ソーラーパネルや通信アンテナなど複雑な構造物の組み立てに必要な一連の作業を実施。R1が荷物コンテナからソーラーパネルの部品を取り出し、目的地へ移動、ソーラーパネルを組み立てる一連の作業を実施し、全ての作業に成功したと説明する。
月面資源採取試験
NASAや米国の民間宇宙企業は月面での資源探査に強い関心を持っていることを受け、今回の実証実験でも模擬月面上で砂を採取するための一連の作業を実施した。R1が荷物コンテナから資源採取用のツールを取り出し、目的地へ移動、砂を採取、格納し、荷物コンテナに格納する一連の作業を実施し、全ての作業に成功したとしている。
斜面(砂丘)走破試験
R1が模擬月面上の傾斜15〜20度の砂丘を登頂可能な走行性能があることを確認したという。
GITAIは近年米国と中国を中心に月面資源探査や基地開発競争が加速しており、従来の人間の宇宙飛行士よりも安価で安全なロボット労働力の需要が急増していると説明。こうした需要を受けて、R1を開発したと解説している。同社は今後、さらなる汎用作業性能向上や月面環境対策を進め、2020年代半ばの月面実証を目指すとしている。