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オリオン座の見え方を観察–全世界で「光害」の影響を調べるキャンペーン
2022.02.07 13:03
ムダな人工の光による問題「光害(ひかりがい)」の啓発活動をしているグループが、夜空にどの程度の星が見えているかを調べるため、世界的な調査キャンペーン「Globe at Night(GaN)」を実施している。直近では、2月22日~3月3日にオリオン座の見え方を調査する予定。
GaNは、誰でも星の見え方を調べて協力できる、市民参加型の活動だ。米国立光学天文台(NOAO)が開始し、現在は全米科学財団(NSF)や国際天文学連合、ユネスコ、国際ダークスカイ協会(IDA)などが加わっている。日本では、IDA東京支部が取り組む。
環境省によると、光害とは「照明の設置方法や配光が不適切で、景観や周辺環境への配慮が不十分なために起こるさまざまな影響」のこと。必要性の低い照明を多用すると、エネルギーが無駄になるだけでなく、夜空が明るくなって星が見えにくくなり、天体の研究や教育が難しくなるそうだ。さらに、人間の生活や健康、野生動物や植物への悪影響も考えられるという。
GaNへ参加するには、星座の見え方を観察し、結果をウェブサイトで報告する。2月22日からのキャンペーンでは、冬の代表的な星座であるオリオン座が調査対象。
観測は、20時から22時ごろに外へ出て、10分ほど待って暗闇に目を慣らして始める。オリオン座は、3つ並んだ星を「ベテルギウス」「ベラトリックス」「リゲル」「サイフ」という4つの明るい星が囲っており、見つけやすいだろう。
報告用のウェブサイトでは、星の見え方や雲の量などを選んで登録する。スマートフォンを使えば、位置情報入力などの手間が省ける。
今後も、毎月さまざまな星座を対象にした調査キャンペーンが計画されている。