ニュース

月裏からのサンプルリターン「嫦娥6」、4個のペイロード選定–中国

2022.12.22 11:56

塚本直樹

facebook X(旧Twitter) line

 中国が進める、月裏側からのサンプルリターンミッション「嫦娥6」で4個の貨物(ペイロード)が選定された。

 2025年の打ち上げが予定されている嫦娥6では、史上初となる月南極のエイトケン盆地からの最大1.7kgのサンプルリターンが予定されている。地球と探査機の通信には中継衛星が利用される。

 嫦娥6のペイロードには、フランス国立宇宙研究センター(CNES)の「DORN」が選ばれた。これは、月のレゴリス(塵)から希ガスのラドンがどのように漏出するかを研究するためのものだ。スウェーデンを拠点とする北欧理論物理学研究所(NORDITA)のペイロード「NILS」では、太陽風により月表面から放出されるマイナスイオンを検出する。

 さらに、上海交通大学の協力でパキスタンの超小型衛星(キューブサット)「ICUBE-Q」も搭載される。

(出典:CNSA/CLEP)
(出典:CNSA/CLEP)

 嫦娥6は「長征5号」ロケットで中国海南島の文昌衛星発射場から打ち上げられる。エイトケン盆地は直径約2500kmの巨大な古代クレーターで、月と太陽系の歴史を解明する手がかりがあると考えられている。

Related Articles