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デジタルブラストと明大、植物栽培装置を共同開発–月面と同等の低重力を再現

2022.02.02 14:27

佐藤信彦

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 デジタルブラスト(東京都千代田区)と明治大学(明大)は、月面などの低重力環境で植物栽培することを想定し、月面と同等の重力を国際宇宙ステーション(ISS)で発生させられる植物栽培装置を共同開発する。

 月や火星などを有人探査する場合、食糧の確保が問題になり、植物栽培が検討されている。ISSなどでの実験から、微小重力環境は植物の育成に大きな影響を及ぼすことが判明している。ただ、月や火星を想定した低重力環境での実験事例は少ないという。

 そこで、デジタルブラストと明治大学は、月面と同じ重力(地球表面の6分の1に相当)をISSで再現し、植物栽培できる装置の実現を目指す。重力の再現は、装置を回転させることで生ずる遠心力を利用する。

 この取り組みにおいて、明治大学農学部で助教を務める佐藤直人氏らの研究グループが、装置開発に必要な要素技術の研究を担当。具体的には(1)栽培する植物への給水方法や栽培に必要な養液、(2)植物を栽培する培地、(3)栽培する植物、(4)栽培環境条件――を検討していく。

 同装置を使ったISSでの実験は、2023年に始めたいとしている。

開発予定の植物栽培装置(出典:デジタルブラスト)
開発予定の植物栽培装置(出典:デジタルブラスト)

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