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東大発ベンチャーTRUST SMITH、宇宙産業に進出–AIやロボティクスを応用
2022.11.22 16:54
東大発のベンチャーであるTRUST SMITH(東京都文京区)は11月22日、同社が保有する人工知能(AI)やロボティクス技術を応用し、宇宙産業へ参入すると発表した。
2019年1月設立の同社は、アームロボットに関する技術として以下のようなものを研究、開発しているという。
- 動的な障害物を自律的に回避するロボットアームの「モーションプランニングアルゴリズム」
- 乱雑に積まれた物体に対する姿勢推定、ロボットアームの「把持候補点生成アルゴリズム」
- あらかじめ学習していない対象物をロボットアームでピッキングする「物体認識アルゴリズム」
- 荷物の積み付けを自動で算出する「積み付け計画アルゴリズム」
- 自律走行の可能な移動式ロボットアームを使った対象物の「ピッキングシステム」
また、無人搬送車(Automated Guided Vehicle:AGV)の技術としてあらゆる車体に適用可能な汎用型の「自律走行アルゴリズム」、1000台規模の移動ロボットを最適に制御する「群制御アルゴリズム」、ドローンの無人充電を可能にする「自律着陸システム」も開発している。
曲面を含む物体や上下反転する物体にも対応する「領域切り分けアルゴリズム」、機械学習をベースにした光学文字認識(OCR)と画像内の対象ラベルを特定するアルゴリズムを組み合わせた「入出荷検品の自動化システム」といった画像認識に関する技術も有している。
近年、テクノロジーの発展により、Space Exploration Technologies(SpaceX)によるロケット打ち上げ成功やGITAIによる宇宙用作業ロボットの開発など、民間企業による商用目的での宇宙開発が盛んになっている。
しかし、放射線によるダメージや作業時間の問題、宇宙進出までの訓練期間や準備、滞在時間の制約など、宇宙空間での作業にはさまざま課題がある。
同社では、アルゴリズムの開発だけではなく、自律搬送ロボットの機体開発や自動倉庫を構成する棚の製造技術など、ハードウェア開発の技術も有していることから、保有する自動運転、経路計画、物体認識、データ分析などの技術を応用し、宇宙産業の抱える課題を解決するプロダクトを開発していくという。
具体的に、宇宙ステーション外における、動的に環境が変化する極限環境下でのアームロボットによる「ロバストな自動ピッキング」。自動航行ドローンと画像認識アルゴリズムを活用した、宇宙機やステーション街などの「故障検知システムによる点検の自動化」、さまざまな車両を自動運転するアルゴリズムを活用した、外乱が想定される極限環境下での「月面探査機の自動運転」などを想定するという。