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須坂市の小学生が宇宙飛行士と交信

2021.12.05 10:30

朝日新聞

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 【長野】須坂市立日野小学校の児童が3日夜、国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士と英語で交信した。きっかけは、広島に原爆が投下されて約1カ月で焦土に真っ赤な花を咲かせ、平和や希望の象徴とされたカンナ。日野小などが提供したその種が昨年、宇宙空間に約5カ月間とどまった。

無線機を手に宇宙飛行士に質問する児童ら=須坂市
無線機を手に宇宙飛行士に質問する児童ら=須坂市

 午後7時過ぎ、アマチュア無線での呼びかけに、ISSに搭乗する米国人のラジャ・チャリ宇宙飛行士の明瞭な返答が日野小体育館に響いた。交信が始まると4~6年の15人は1問ずつ、「宇宙ってどんなにおいがするの」「カンナを含む植物は宇宙で成長できますか」などと英語で質問。飛行士が一つ一つに答え、交信は10分ほどで無事、成功に終わった。

 企画したのは、カンナを平和学習に生かしてほしいと活動する東京都在住のマナー講師、橘凜保(りほ)さん。15年以上を経て、カンナは34都道府県と世界16カ国を含む190校超に広がった。須坂市も橘さんの「カンナ・プロジェクト」に賛同し、学校や道路などで栽培されている。

 2013年に種が宇宙に行く話が持ち上がり、日野小を含む全国20校から609粒を集めた。20年3月に民間ロケットで米国から飛び立ち、ISSに5カ月間保管。8月に地球に戻った種はその後、各校に届き、今春に植えられた。

 橘さんは「カンナを通して宇宙から見た地球は、一つのおうち。同じ星の住人という視点で地球の平和を考えていきたい」。そのバトンを若い人たちにつなげたいと、今回の企画には長野高専(長野市)の学生らが参画。十数人が運営や配信、翻訳と活躍し、リーダーで須坂市出身の2年生、山岸翔梧さんは「小学生と夢を共有でき、感無量です」と喜んだ。

 15の質問は20の保育園、小・中・高校から寄せられた169問から選んだ。「無重力の空間で植物のつるはどのように伸びるか」と尋ねた日野小6年の相生恵佑くんは、「カンナのおかげで宇宙とつながることができ、交信は楽しかった。大事に育ててきて良かった」と話した。(北沢祐生)

(この記事は朝日新聞デジタルに2021年12月5日10時30分に掲載された記事の転載です)


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