日本初の月面着陸後になぜか横浜市歌 SNSトレンド入りの壮大な曲

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日本初の月面着陸後になぜか横浜市歌 SNSトレンド入りの壮大な曲

2024.01.29 13:00

朝日新聞

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 世界5カ国目となる月面着陸に成功した無人探査機「SLIM(スリム)」。快挙の瞬間に立ち会おうと、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が生配信した動画を見つめていた人たちの間で、なぜか「横浜市歌」が話題に。一体、何があったのか。

JAXAの会見で流れたBGM

 「月表面に着陸したかと思われます」

 20日未明、JAXAが生配信中のサイトでそう発表すると、視聴者が「おめでとー」「すごい!」と祝福のコメントをチャットに書き込んだ。

 その後、画面は「しばらくお待ちください」との表示に切り替わり、音声もBGMに替わった。

 関係者による記者会見の準備が整うまでの間に流れたBGMの一つに、視聴者が反応した。

 「JAXAの会見に横浜市歌が流れている」

 「横浜市歌が壮大にアレンジされている」

 「今でも歌える横浜市歌。JAXAが何で?」

 X(旧ツイッター)の投稿数は徐々に増え、ついにはトレンド入りした。

無人探査機SLIMの着陸間際に、記者会見場でライブ配信されていた動画画面にスマートフォンを向けるプロジェクトの関係者ら=2024年1月20日午前0時20分、神奈川県相模原市、角野貴之撮影
無人探査機SLIMの着陸間際に、記者会見場でライブ配信されていた動画画面にスマートフォンを向けるプロジェクトの関係者ら=2024年1月20日午前0時20分、神奈川県相模原市、角野貴之撮影

宇宙っぽい曲

 SLIMの記者会見が開かれたのは相模原市のJAXA相模原キャンパスだ。なぜ横浜市歌が選ばれたのか。

 JAXAの広報担当者に尋ねると、「深い意味はなく、たまたまなんです」と返ってきた。

 動画配信中に使ったBGMはフリー素材の中から、「宇宙っぽい壮大なBGM」を選んだところ、「たまたま」横浜市歌がアレンジされたものだったという。

 担当者もSNSで話題になっていたことは把握しており、「まさかここまで注目されるとは思わず、我々もびっくりした。横浜の方々を含め、たくさんの人に見ていただき、改めて今回の期待値の高さを感じました」と話している。

作詞は森鷗外

 「横浜市歌」は1909年、横浜港の開港50周年を記念して作られた。〈されば港の数多かれど この横浜にまさるあらめや〉との高らかな歌詞は、明治の文豪・森鷗外が手がけた。

 横浜市教育委員会の担当者によると、「横浜市民にとって横浜市歌を歌ったのは共通の思い出で、愛着のある歌」。市立の小学校では1990年代に、「横浜市歌」の歌唱指導が教育課程に組み込まれ、音楽の授業で歌われるようになったという。


 各種の記念式典やイベントでも演奏され、プロ野球・横浜DeNAベイスターズの応援歌の一つにもなった。「横浜市歌」がプリントされたTシャツなども販売されており、市教委の担当部署には今も、歌のアレンジやメディアでの利用が可能かどうかの問い合わせがあるという。(原晟也)

無人探査機SLIMが月面に着陸したことを示す画面に切り替わった。JAXAがSLIMの状況を確認していた=2024年1月20日午前0時21分、神奈川県相模原市、角野貴之撮影
無人探査機SLIMが月面に着陸したことを示す画面に切り替わった。JAXAがSLIMの状況を確認していた=2024年1月20日午前0時21分、神奈川県相模原市、角野貴之撮影

(この記事は朝日新聞デジタルに2024年1月26日18時に掲載された記事の転載です)

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