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超小型衛星用の推進機を開発する東大発ベンチャーPale Blueが7.9億円を調達
2021.10.28 17:43
超小型衛星用の推進機を開発する東大発ベンチャーであるPale Blueは10月28日、4.7億円の資金を調達したと発表した。既存投資家であるインキュベイトファンドと三井住友海上キャピタルに加え、新たにスパークス・イノベーション・フォー・フューチャーとKURONEKO Innovation Fundを引受先としている。
加えて、商工組合中央金庫と2000万円の融資契約を締結。また、経済産業省より「令和2年度補正宇宙開発利用推進研究開発(小型衛星コンステレーション関連要素技術開発(推進系技術))」(初年度予算:最大3億円)を受託。これらにより、累計調達額は約10億円となった。
同社は、水を推進剤として用いた超小型推進機の技術を軸に、持続可能な宇宙開発・利用を実現するため、2020年4月に設立された東京大学発ベンチャー。
創業以降、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の革新的衛星技術実証3号機に搭載する実証テーマへの選定(テーマ名称:水を推進剤とした超小型統合推進システムの軌道上実証)や、文部科学省のへの採択(テーマ名称:超小型探査機の大電力化時代に向けた統合「水」推進系の発展)および、(テーマ名称:メガコンステレーション用超小型衛星向け水統合エンジンの開発)など、水を推進剤として用いた超小型推進機の開発を進めている。
具体的には、「水レジストジェットスラスタ」(水蒸気式推進機)、「水イオンスラスタ」(水プラズマ式推進機)、「水統合スラスタ」(水蒸気式+水プラズマ式推進機)といった、3種類の超小型水推進機を展開。大学・研究機関などと連携し、超小型水推進機の宇宙実証プロジェクトを複数進めており、3種類の超小型水推進機については、フライトモデル(宇宙に打ち上げる製品)の開発を完了したという。
今回調達した資金については、グローバルも含めたチーム強化、量産体制の構築、新たな研究開発に投資する予定。今後は、実証機の打ち上げを待ちつつ、開発・製造拠点の拡大を11月末までに完了させる方針。さらに、打ち上げ後の宇宙実証実験、量産化に向けた製品開発、新規事業立ち上げに向けた新たな研究開発を進めていくという。
(この記事はCNET Japanからの転載です)