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野口聡一さん立命館大学長特別補佐に 飛行士経験を月や火星の探査へ
2023.12.04 13:45
3度の宇宙飛行を経験した宇宙航空研究開発機構(JAXA)の元宇宙飛行士、野口聡一さん(58)が、立命館大学の学長特別補佐に就いた。1日、大学の東京キャンパスで記者会見し「学生や研究者に自分の知見を伝えて、刺激を与えていきたい」と話した。就任は11月1日付。
立命館大は7月、月や惑星の探査や居住に向けたインフラ構築などに取り組む宇宙地球探査研究センター(ESEC)を設置した。野口さんは12月1日付でESECの研究顧問にも就いた。
記者会見で野口さんは「宇宙での生存圏拡大に向けた研究は、気候変動などを考えると地上の生存圏の維持にもつながってくる。社会にとって非常に意義のある活動ができるのではと思う」と意気込みを話した。
ESECの佐伯和人センター長は「私たちでは気付かないような視点で、実際に宇宙に行った経験からアドバイスをいただき、研究に役立たせたい」と述べた。
月には水資源があり、将来の有人探査では飲料水や食料生産、ロケットの燃料などへの活用が期待されている。ESECは、月や火星の資源調査に使う機器の開発や、インフラ整備に必要な土木技術などの研究を進めるという。(玉木祥子)
(この記事は朝日新聞デジタルに2023年12月1日15時30分に掲載された記事の転載です)