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2024年にも光通信衛星打ち上げ つくばのベンチャー
茨城県つくば市の宇宙ベンチャー企業「ワープスペース」は、宇宙空間で光通信サービスを提供する衛星の初号機を2024年10月にも打ち上げる。予定通り進めば、25年中のサービス開始を予定している。民間の光通信衛星としては国内初になるという。
同社によると、地球上の低軌道(高度400~千キロ)には多くの観測衛星が飛び、気象の変化などをとらえて農林水産業や防災に活用されている。しかし陸地は地表の約3割しかないため、衛星と地上局の通信機会は限られる。同社はレーザー光を使う通信衛星を低軌道より高い約2千キロの中軌道に打ち上げてハブ(中継地)とし、観測衛星のデータを地上で受信しやすくすることをめざす。
昨年3月には実験用の超小型衛星を国際宇宙ステーションから地球を回る軌道に放出し、データの送受信などを実証してきた。
先月31日に記者会見を開いた常間地(つねまち)悟CEO(34)は、商用の初号機は「LEIHO(霊峰)」と名付けたと話した。「光通信探査の衛星間ハブ1号機」の英単語の頭文字と、霊峰・筑波山にちなんでいる。約1メートル角の立方体で重さは二百数十キロだという。
常間地CEOは「初号機で観測衛星の約3割の通信を中継できる。2号機、3号機と続けて、カバーする範囲を広げていきたい」と話す。(谷口哲雄)

(この記事は朝日新聞デジタルに2022年6月3日10時30分に掲載された記事の転載です)