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火星で初飛行に成功、NASAの小型ヘリコプターを支えるオープンソースソフトウェア

2021.04.22 06:30

ZDNet Japan

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 JPLによって作成されたこれら開発者のリストは、Ingenuityで用いられたすべてのオープンソースプロジェクトの全バージョンの包括的なリストとともにGitHubに提供された。そしてGitHubは、これらプロジェクトとその依存関係にある成果物の貢献者を洗い出すことができた。

 この栄誉を受けた人々の中には、Linuxの生みの親であるLinus Torvalds氏をはじめとする有名な開発者が含まれている。一方、その他多くの開発者による縁の下での努力が、今回公に認められた。GitHubの開発者関係担当シニアディレクターであるMartin Woodward氏は「バッジを授与される人々の多くはおそらく、自らのソフトウェアが地球以外の惑星でのヘリコプター飛行を実現するために使用されたことをまったく知らないはずだ。われわれは、人類にとってのこの素晴らしい偉業に貢献したすべての人々に光を当てるようにしたかったのだ」と説明した。

 そしてWoodward氏は「われわれは、何段階にも及ぶ依存関係の階層があるということを思い知らされた。単一プロジェクトの依存関係は10に満たないかもしれないが、その背後にはそれぞれが他のものに依存しているというクモの巣のような依存関係が存在している。あるプロジェクトに貢献している人の数は、誰も気付かないうちに、あっという間に膨れ上がる」と続けた。

 今回のケースでは、貢献者の数は結果的に桁違いの多さになった。その一方で、今日出荷されているほぼすべてのソフトウェアもオープンソースのコンポーネントに依存している。Pythonの中核貢献者であるCarol Willing氏は「湖に小石を落とした場合と同様に、小さな貢献がさざ波のように広がっていき、はるかに大きな影響を及ぼす。これがオープンソースの素晴らしい点の1つであり、これによって1人の優れた作業を誰か他の人がさらにパワフルかつ意味あるものにしていける」と付け加えた。

 多くの貢献者にとって、自らの抽象的な作業が火星の空を飛行する小型のヘリコプターという具体的な成果として確認できるのは素晴らしいことだ。Pythonの別の中核貢献者であり、Pythonの互換ライブラリー「Six」のクリエイターであるBenjamin Peterson氏は「バグ修正とメンテナンスに長い時間をかけてきた。そして今、Pythonによって可能になっているクールな物事すべてについて聞くと気持ちが爽やかになる」と述べた。

 GitHubが価値を評価しているのは、これらのプログラマーだけではない。同社は他のオープンソース貢献者についても称賛している。例えば、PythonのコアチームのメンバーであるMariatta Wijaya氏は主に、コミュニティー管理とドキュメントのほか、Pythonチームの活動を支え、コードを利用可能な状態に保つためのワークフローツールの構築に力を注いでいる。Wijaya氏は「ただプルリクエストを作成するだけでは十分ではない」と述べ、「コードのレビューと、ドキュメントの更新、何をどのようにビルドするのかについて決定するためのコミュニティーとの作業を実施する必要がある」と続けた。

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